車に轢かれた話

 

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単刀直入に言えば先日タマ・チャンは車に轢かれた。

 

夜頑張ってチャリを漕いでいたら轢かれた。

 

住宅街の道路と大通りのT字路みたいなところだったのだが、住宅街の道路から出てきた車に轢かれた。

轢かれる前も轢かれた後もタマ・チャンは至って冷静だった。

タマ・チャンのチャリが車体の真ん中辺りに差し掛かっても車が止まらなかった時、タマ・チャンはそれを瞬時に悟り、「ああ、こりゃ轢かれらぁ」と考えていた。

そして静かに轢かれた。

 

正直タマ・チャン側に過失はなかったと思う。

そもそもタマ・チャンは青信号だったのでそのまま進んでいただけだし、ド派手なレインコートを身にまとっていたし、オーラだってあった。

あったとしたら、車が止まるだろうという謎の確信と事故った後のヘラヘラした態度だ。

 

タマ・チャンは車に轢かれるというレアすぎる状況についテンションが上がってしまいヘラヘラしてしまった。

道路になぎ倒されたにも関わらず何事もなかったかのようにチャリを起こしニヤニヤしていた。

運転手さんからしたら相当気味が悪かったと思う。

 

運転手さんが「大丈夫ですか?」と声をかけてきたのに対してタマ・チャンは「アハ、大丈夫です、アハ」とちびまる子ちゃんの山田くんに引けを取らないアホさをぶちかました。

そして何故か「車大丈夫ですか?アハ」と謎の気遣いを見せた。

自分のことを鋼鉄のロボットだとでも思っていたのだろうか?

ちなみに皆さんご存知かどうかは分からないが、タマ・チャンは人間なので、轢かれた時は何ともなかったもののバチバチに治らない青アザができた。非常に痛々しい。

 

でも運転手さんも運転手さんで、こんなに幼気で愛らしいタマ・チャンを轢いたにも関わらず、全く焦っていなかった。常習犯なのだろうか。

なんならタマ・チャンよりも車の心配をしていた。

こんなことならネイマール並の演技をしてやればよかったと少し後悔している。

運転手さんはタマ・チャンが優しい心を持っていたことに感謝すべきである。

 

まぁ面白かったし楽しかったのでいいとしよう。

 

そういえば幼い頃にも轢かれそうになったことがあったのを思い出した。その時は轢かれずに済んだのだが。

確か5歳か6歳の時だっただろうか。1人で補助輪付きチャリで本屋に向かっていた時だった。

5.6歳のくせにまだ補助輪かよ!と思った方、タマ・チャンがチャリに乗れるようになったのは小学校一年生の頃なので許して欲しい。ココ最近両手放しができるほどに成長したので許して欲しい。いや、チャリで両手放ししてはしゃぐ大学一年生キモ。

その歳で1人で本屋を楽しもうとしてるあたりタマ・チャンの行動力は幼い頃から鬼だったのが窺える。

 

幼きタマ・チャンは信号機がない横断歩道で横断を試みていた。

しかしその小ささ故になかなかドライバーの皆さんには気づいてもらえずにいた。

やっと車が止まってくれたのは隣に高校生ぐらいのお兄さんが来た時だった。

 

幼きタマ・チャンは、さあ、お兄さんと一緒に行こう!と意気込んで頑張って自転車を漕ぎ始めた。

お兄さんがタマ・チャンのことなど気にせずスイスイ行く中、タマ・チャンは頑張って自転車を漕いでいた。

 

その時事件が起きた。

 

止まっていた車が急に動き始めたのである。

 

悲しいかな、運転手さんには小さきタマ・チャンが見えていなかったのだ。

なんとかタマ・チャンスレスレで止まったものの、ニアリーイコール事故である。

 

しかしタマ・チャンは泣きわめくことも無く、ただ驚きをひた隠しにし前を向いて自転車を漕ぎ始めた。

なんと落ち着き払った子供だろうか。我ながらその情緒は子供としてどうかと思う。

しかし、ビックリしすぎて何もリアクションが取れなかったのだろう幼きタマ・チャンを想像すると何とも愛らしいではないか。

 

ともかく大した傷を負わずに済んだタマ・チャンは幸運だった。神様に感謝したい。

初轢かれの記念としてこのブログを残しておく。