特技の話

 

f:id:c_camore__2106:20200308184119j:image

 

タマ・チャンにはしょうもない特技が2つある。

ビラ配りがうまいことと、倒れているチャリを起こすのが上手いことである。

 

まず、ビラ配りのうまさについて。

これは中高時代のあしなが学生募金で培った。

タマ・チャンは見た目によらず大真面目な学生なのでボランティアであっても気を抜かずひたすらストイックにビラを配っていた。

タマ・チャンはビラを渡す際に遠くからターゲットをロックオンしてバチバチにアイコンタクトしておくのだ。そうすることで向こうもタマ・チャンから目を離さなくなるので必然的にビラを受け取ってくれる、こういうロジックである。このスキルを使いこなして馬鹿みたいにビラを配っていた。

それに加えて、タマ・チャンは幸が薄そうな顔をしてるので、そんな貧弱そうな女子高生が「おねがいしま〜す」や「すみませ〜ん」などと弱々しく言えば大抵の人は受け取ってくれるのだ。

 

断られようが無視されようが「アリガトゴザイマァー」と心を無にしていたので、メンタル激弱なタマ・チャンもなんとかやり過ごしていた。

言うなればこの特技は演技力と精神力の賜物である。

 

だからなんだと言われれば何もないのだが、もしみんながどうしても配りたいビラがある時にはビラ配ラータマ・チャンを呼ぶといい。戦力になる。

 

今ビラ配ラーなどと勝手に命名してしまったがダサさ極まりないのでこの名称を今後一切使うことはない。

 

 

次に倒れてるチャリを起こすのが上手いことについて。

これは上京してから培ったスキルである。

タマ・チャンが今住んでいるアパートは駐輪場の治安が鬼ほど悪いのでチャリが異常に倒れている。それを起こすことを日課にしていたらいつの間にかチャリ起こし能力が鍛錬されていた。

そこらへんの人よりはチャリを起こす術を弁えているから、まぁ早い。サドルを掴みそのまま片手で持ち上げるまで疾きこと、風の如しと言ったところである。

 

この前風が強かった日は大学でも家でもチャリを起こす羽目になったため、計50弱のチャリを起こした。ギネス。

 

1番腹が立つのはハンドルとタイヤが絡まっている時である。倒れた多数のチャリに遭遇したことがない皆さんはタマ・チャンが何を言っているか分からないかもしれないが、倒れた反動でハンドルとかペダルがタイヤのところに挟まったりして非常に面倒くさいことになっていることがある。

それに遭遇した時のタマ・チャンの嫌そうな顔を皆想像して欲しい。めちゃくちゃ嫌な顔をしている。そして「ヴゥン」などと呻きながらチャリを持ち上げようとするのだ。しかし失敗して「ハァ〜」などと肩をすくめ「フゥッ」と気合いを入れ直し再び試みる。その繰り返しだ。

 

はっきり言ってタマ・チャンにとって一日を終え疲労に満ちた後のチャリ起こし作業なんて苦行でしかない。ただでさえタマ・チャンは握力が18の女である。

だから「ウウッ」「オッ」「イヤァ〜」ぐらいの呻きは許して欲しい。傍から見たら妖怪がチャリに細工をしているようにしか見えないのは分かっている。だが、別に悪事は働いていないのでタマ・チャンのことを奇怪な目で見るのはやめて欲しい。せめて優しきモンスターぐらいに思っていて欲しい。

 

まぁこの特技も本当に日の目を見ることは無い。しかもチャリが起こされていたからと言ってそのチャリの持ち主が喜ぶことも無い。

非常に生産性がない行為ではあるのだが、1度その行為に走ってしまった以上もうタマ・チャンは倒れたチャリを見過ごすことが出来なくなってしまったのだ。もうこの業界から足を洗えないのだ。足を洗いたくてもどこに指を詰めればいいのか分からないし、そもそもこの業界に同業者がいるかどうかも分からない。

だからこれからもタマ・チャンはどこかで倒れたチャリを起こして生きていくのだ。

 

 

この2つが、タマ・チャンのしょうもない特技である。なんの自慢にもならなければ履歴書にも書けない。しかし、培った以上これからもこのスキルを失うことなく生き続けていこうと思っている。だから、皆さんも適当にタマ・チャンのことを応援して欲しい。

 

 

最近クソ構成ブログに甘んじていたので、今日は鬼論理的構成で書いてみましたが、こんなしょうもないことをロジカルに話したところでなんの意味もありませんでした。諸行無常!色即是空文殊菩薩