パスポートの話
タマ・チャンはこの前私用でパスポートを作りに行った。
15年ぶりのパスポートである。
期限ギリギリになって焦って作りに行ったこともあり、タマ・チャンは非常に緊張していた。
期限ギリギリになって何かしようとするのはいつだってタマ・チャンの悪い癖である。
小学生の時からそうだった。
学校の支度は基本朝やるから忘れ物をしない日がほぼなかった。いつだって何か忘れていた。
お母さんからサインをもらったりする大事な書類は基本期限日の朝お母さんに提出する。そして怒られると逆ギレする。お騒がせ親不孝小学生だ。
今回もパスポートを作るために必要な書類はギリギリのギリでお母さんに報告した。
余裕でいけるだろ、と思っていたのにも関わらず思った以上に手間取る手続きにタマ・チャンは驚愕し焦りの中お母さんに連絡した。
まぁ毎度何とかなってしまうからこのギリギリループを続けてしまうのだと思う。
1回タマ・チャンは痛い目を見た方がいいかもしれない。
パスポート用の顔写真を撮っていなかったから、申請所の前のバカ高いとこで撮ったのだが、まぁ出来はブスだった。別に高いからと言って可愛く撮ってくれる訳では無いことは分かってたが、まぁブスだった。何がそんなに不服なん?という顔をしていた。緊張か照れか笑顔が死ぬほど下手くそで絶妙な苦笑顔でまぁブスだった。
唇の色が無だった。プールに入った後の小学生男子の唇の色と明度彩度共に一緒だった。何故口紅を塗り直さなかったのか、きっとタマ・チャンは今後5年間そう後悔し続けるのだろう。
小さい頃のパスポートの写真の方がまだマシだった。幼いながら虚無を見つめて何か悟った顔をしてたけど。
パスポート申請を待つ間、5年は五万円、10年は十万円と勘違いなさっていた方がいて面白かった。本当の金額を聞いてすごく驚いていた。そこらへんのYouTuberじゃ太刀打ちできないぐらい良いリアクションをしていた。
もし本当に10年で十万だったとしたらタマ・チャンは日本を恨み国外へ行くことを放棄するが、10年で十万円かかると思いながらもパスポートを作りに来ていたその方は相当な富豪か人徳者なのだろう。
「今日持ってきちゃったわよぉ〜!」などと仰っていたのだが、タマ・チャンはその人が帰り道暴漢に襲われないかヒヤヒヤしてしまった。そんな大声で大金を持っていることを言うなんて危険すぎる。
「背後に気をつけて!」などと声をかけるべきだったのかもしれないが、その日のタマ・チャンは帽子とマスクで不審者スタイルだったので自粛しておいた。
不審者スタイルだったせいで、本人確認のために帽子とマスクを取るよう係の方に言われたのだが、そこでもまた可愛さを垣間見せてしまった。笑顔になる必要はまったくないはずなのに謎のアイドルスマイルを披露してしまった。
「は〜い、アハ」などというアホみたいな返事をしながら愛嬌を暴発させてしまった。
多分係の方もときめいたと思う。
去り際、昔のパスポートを返される際に「昔こんな可愛かったのにねえ、」と言われたのだが、それは多分アプローチだ。
「昔も可愛かったけど、今はもう大人ね、綺麗になっちゃって、、、」と言いたかったんだと思う。
15年という年月が経ったことへの感慨深さと共に、目の前にいるタマ・チャンの可憐さにときめきを感じていたに違いない。これだからモテる女は困る。
皆さんはこの言葉を聞いた時、「昔はこんなに可愛かったのに今はこんなに可愛くなくなっちゃって、、、」という解釈をされたかもしれない。
確かに文章及びタマ・チャンの顔面的にはこちらの解釈が圧倒的に正しいのだが、今回はその解釈はとらない。
なぜなら、このブログでは私こそが正義であり法だからだ。
私に従わなかったものは罰せられ、二度と歯向かわせないように「教育」をする。
このブログに足を踏み入れた皆さんは、もう私という法からは逃れられないのである。
#カルト宗教