パーマをかけた話

 

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タマ・チャンは先日パーマをかけた。先日と言っても結構前なので今は相当抜けてきているのだが、パーマをかけた。

 

人生初パーマである。

 

頭に巻いているタオルが死ぬほど落ちそうで顔筋でなんとかしようとしたのだが無駄だった。落ち着いて考えれば顔面を動かしたところで頭の方にはノーダメージだから本当に無意味な行動だった。

 

アシスタントのお姉さんが薬をドバドバかけるからタマ・チャンは心配だった。パーマのことをよく知らない私でもかければいいってもんじゃないことぐらい分かる。

もしかければかけるだけいいというものだったら浅い知識でお姉さんの薬量に口を出してしまって申し訳ない。

 

 

出来上がりを見た時はショックのあまり声が出なかった。

「これが、、、私?」と思った。間違いなく私は私なのだがあまりにも滑稽な女が鏡に映っているから受け入れられなかった。

 

それを察した美容師さんに必死にフォローさせてしまう羽目になった。「パーマって濡れてる状態が一番かかってるからさ、」みたいなことを言われたが唖然としたタマ・チャンは何もうまく返せなかった。

本来なら「わァ〜!!!かわいい〜〜!!!!え、すご〜〜〜い!ふわふわ〜!」等のリアクションを取るべきだったのだろうがバカ正直なタマ・チャンにその嘘はつけなかった。口が裂けてもふわふわとは言えなかった。

「わァ〜!!!なんか絶妙にブス〜〜!!!!え、すご〜〜〜い!ぐりんぐりん〜!」だったら言えたかもしれない。いや、言えない。この文面だと美容師さんに喧嘩を売ってるようにしか見えない。

 

決して美容師さんが悪いのではない。美容師さんに罪はない。素晴らしい施術をしてくれた。

これはタマ・チャンが身分を弁えずパーマなんか軽い気持ちでかけたが故に起こった悲劇だ。

ただ新鮮さが欲しくてパーマなんかに手を出したからパーマ神が怒ったのだ。もっと真剣にパーマのことを考えるべきだった。

 

五周ぐらい回ってレトロっぽくていけるか?とも思ったがいけなかった。レトロすぎた。

松田聖子に憧れ損ねた昭和の良いとこのお嬢みたいな髪型をしていた。なのにちんちくりんフェイスだから顔面上にとんでもない矛盾が生じていた。

 

 

なんなら尾崎世界観が飼ってるプードルだった。尾崎世界観はプードルよりも毛がない系の犬を飼いそうだけど間違いなく尾崎世界観に餌付けされているプードルだった。

 

ちなみに尾崎世界観がプードルを飼ってるのか否か調べるために[尾崎世界観 犬]で検索したら尾崎世界観が書いた小説が出てきた。

小説のタイトルは『犬も食わない』。

タマ・チャンの髪型は犬も食わないってか!ハハ!上手いこと言うね!

 

 

パーマをかけてからというものの、何を着てもメンヘラ製造機クズバンドマンみたいになってしまうようになった。ダボッとした感じのパーカーを着たらライブのリハの時のクズバンドマン、キレイめシックな感じでまとめたら適当なキープ女と遊ぶ時のクズバンドマン、メガネをかけたら家で作詞作曲する時のクズバンドマン、もはや黒スキニーを履いた時点でもうクズバンドマンなのだ。

 

 

でも未だに何が悪かったのか、何故タマ・チャンにパーマが似合わないのかは分からない。パーマ神の呪いを生まれながらにして受けてしまっていたのか。

 

それともタマ・チャンはストレート神の寵愛をこの上なく受けているのかもしれない。

思い返せば朝起きたら基本そのままで家を出れるくらいにはタマ・チャンはストレートだった。ストレート神の愛情によって日々守られていた。

それをタマ・チャンは裏切ってしまったのだ。

 

パーマが似合わないのもしょうがない。

 

しかし今はだいぶ落ち着いてきた。気を抜くとテニスじゃなくてバドミントンが好きな切原赤也みたいになるが、まぁ許容できる範囲には見慣れたし落ち着いてきた。

昭和プードルからの脱却。平成プードルレベルにはなれた。タマ・チャンが令和プードルになる日も近いのかもしれない。

 

 

早く人間になりたい。

 

きっとこのブログを見たらベムもベラもベロも共感してくれるに違いない。

彼らが妖怪人間として苦悩を抱えながら生きていく間、タマ・チャンもプードル人間として苦悩を抱えて生きていくのだ。