お父さんの話
先日タマ・チャンは母なるアンジーの話をしたが、今日はお父さんの話をしようと思う。
お父さんはプロレスが大好きだ。
タマ・チャンが帰省した時もずっとプロレスを見ていた。朝からずっと見ていた。
お父さんの推しはジェイ・ホワイトというプロレスラーなのだが、こいつがとんでもない悪役だった。
決勝戦だというのにセコンドを連れ込むという卑怯な手を使い、対戦相手が昔負傷したらしい足をガンガンパイプ椅子で殴っていた。しかも何度カウントまで持っていってもギリギリのところで回避するから相当しぶとかった。最終的には対戦相手がジェイ・ホワイトを打ちのめすザ・勧善懲悪な試合だったので、ショーじみていて面白かった。ちなみに彼は準決勝でも何か卑怯な手を使ったらしく、大ブーイングの中決勝戦を迎えていた。圧倒的ヒールだ。
何故お父さんが彼を推しているのかは全くもって分からない。
でも下がりに下がった彼の好感度を上げようとしたのか、その後家族LINEで謎の「蟹になりたいね」と言いながら蟹のポーズをする彼の可愛らしい動画を送ってきた。可愛かった。
そして紛うことなきモノノフである。
父がモノノフであることに関しては受容しがたいため詳しく説明するのはやめておくが、アンジーとよくライブに行っている。
しおりん推しのアンジーは言うなれば昭和パリピでイベント大好きおばさんなので毎回全身に黄色を纏って出陣している。赤を身に纏う時は必ずタマ・チャンに声をかけ北山さん(メンカラが赤なので)の応援グッズを貸せと言ってくる。
お父さんは何故か律儀に毎日家族LINEで家に何時に帰宅するか連絡してくる。お姉ちゃんもタマ・チャンも上京して一人暮らしのため、アンジーに個チャで送ればいいのに、何故か家族LINEで送ってくる。個人への連絡もよく家族LINEで送ってくる。個チャの存在を知らない人間なのかもしれない。
最近タマ・チャンが心配なのは、お父さんが絵文字を乱用していることだ。家族一可愛い絵文字を使っている。だから、このままでは絵文字おじさんになってしまうのではないかとタマ・チャンは憂いている。
願わくはこのままお父さんがハゲることなく加齢臭を身に纏うこともなくいてほしい。
タマ・チャンが小さい頃お父さんは仕事の関係でほぼほぼ家にいなかったこともあり、幼きタマ・チャンにとってはお父さんはかなり謎めいた人物だった。
が、この歳になってようやくお父さんがどういう人なのか掴めてきた気がする。
アンジーほどおしゃべりじゃないがお茶目で、素敵な趣味とセンスの持ち主だと思う。
部活で集合写真を撮る時にちゃっかり映り込んできたり(ちなみにバチバチにピースしていた)、どこかの城を見に行った時にお堀の鯉を急に掴んだり、恐ろしい腹痛に一晩中苦しんだのに原因がこんにゃくの食べ過ぎだったり。
タマ・チャンの好みはお父さん譲りかもしれない。年頃の娘には間違いなく不似合いな変で奇抜なものを買ってきてくれるのだが、タマ・チャンはそれを嬉しく思う。この親にしてこの子ありとはこのことである。
ちなみにお父さんの将来の夢は古本カフェを開くことだそうなので、皆是非応援してあげて欲しい。
そのために読みもしない古本を集めて部屋に積み重ねアンジーにグチグチ言われているが。
何度考えてみてもアンジーとお父さんの性格は真反対なので、よく仲良いままでいられるなァと思うのだが、夫婦円満に越したことはないので2人には是非このまま元気で仲良くいてほしい。
だからタマ・チャンのファンの皆も祈っていてほしい。
2人が元気で仲良くいられますように。
タマ・チャンが幸せでありますように。
タマ・チャンが毎日笑顔でいられますように。
タマ・チャンの夏休みがずっと終わりませんように。
タマ・チャンが北山さんの舞台に復活当選しますように。
タマ・チャンがいくら食べても太らない体になりますように。
タマ・チャンの顔が明日朝起きたら沢尻エリカになってますように。
タマ・チャンが魔法を使えるようになりますように。
タマ・チャンの元に突然10億円舞い込んできますように。
と。